学生時代にやっておかないと絶対後悔すること(2) – 語学

「就職には高い英語力が必要だと言われるけれど、日本企業で、国内で働くなら実際は英語なんて使わないでしょ?」

とタカをくくっている学生の皆さんもいるでしょう。
残念ながら、そんなことはありません。
企業の中で英語を使う機会は本当にたくさんありますし、これからさらに増えていくでしょう。
日本の英語力
まずは、日本の英語力はどれくらいなのかを見てみましょう。
イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンは、毎年、非英語圏の国々の英語力をランクづけした「世界の英語力ランキング」を発表しています。
その結果をお示しします。
日本は韓国や中国よりもさらに下に位置しています。
ランキング53位というのはかなりひどい状況です。
実は、これは企業の中にいても実感出来ることです。
アジアの国々で電話会議をすると、韓国や中国の同僚は英語でどんどん発言するのに、日本人だけは黙っているという場面を見かけることが非常に多いです。
こうした場で発言しないということは、「アイデアが無い人だ」、「会議に積極的に参加していない」、「会社に貢献する気がない」と見なされます。
「そんな、極端な…」と思われるかもしれませんが、これが現実です。
ビジネスの場では英語で発言出来ないだけで、同僚や会社から悪い評価を受けてしまいます。
英語の会議あるある
会社に入ると、多かれ少なかれ海外と英語で電話会議をすることになります。
きっとみなさんも会社に入るとこんな場面によく出会うと思います。
ケース1: OK上司
海外取引先「xxxxxxxxxxxxxxxx, is it okay?」
日本人上司「OK OK」
「Good, xxxxxxxxxxxxxx, fine?」
上司「Fine! 」
上司 (部下のあなたに向かって)「今なんて言ってたの?」
あなた (わかってないのにOKって言ってたのか…)
会議後…
上司「いやー、しばらく英語喋らないとわすれちゃうわー」
あなた (そもそも喋れて無いじゃん…)
こんな上司に、「TOEICのスコアを上げろ」と言われても全く響かないですね。
ケース2: 帰国子女先輩
海外取引先「Is it possible for you to provide us  your corporate brochure?(貴社の会社概要をお送りいただけませんか?)」
先輩「Gotcha, I gonna text it to u guys.(りょーかい、後でお前らにメールしとくわ)」
「oh…okay…」
あなた (うわー、お客さん引いてる…)
英語は喋れても、この先輩の語学力はビジネスの場にはそぐわないですね。
日本国内だけを相手にしたビジネスは無理になってきている
日本発の産業として知られている家庭用ゲームソフトについて見てみましょう。
家庭用ゲーム機はソニーや任天堂など、日本企業が作っていますので、日本国内向けのビジネスというイメージがありますね。
では市場規模を見てみましょう。
2003年
欧米: 10,708億円
日本:   3,075億円(23%)
2017年
欧米: 9,860億円
日本: 1,894億円(17%)
かつて日本は世界の1/4を占める巨大な市場でしたが、2017年では17%まで落ち込んでいます。
これは2017年時点での日米欧のみのデータですので、中国などの市場を含めれば日本の割合はさらに少なくなるでしょう。
日本のゲーム会社は大多数を占める海外に商品を売るために、語学力のある若い人材を必要としています。
他の業界でも同様のことが起きています。
日本の少子化、高齢化が深刻になるにつれて、これまで日本国内に向けたビジネスと思われていたコンビニ業界も海外展開を進めています。
2月20日には、大手のセブン&アイ ホールディングスがアメリカのガソリンスタンド併設のコンビニチェーン4000店舗(2兆4500億円)の買収の最終段階に入ったと報道されました。
今や日本国内だけで成立するビジネスはほとんど無い状況です。
これから採用される多くの新卒生には高い実践的な英語力が求められています。
出川イングリッシュの限界
「とりあえず自分の意見が伝わればいい」と無茶苦茶でも身振りを交えて英語を話そうとする方がいます。
その意思自体はとても良いことだと思います。

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しかし、ビジネスの場では一方的に自分の意見を押し付けるだけではコミュニケーションは成立しません。
海外とのコミュニケーションは主に電話会議になりますので、身振り手振りでなんとなくこちらの意図を察してもらう、ということも出来ません。
仕事では、相手の意見を聞き、時に交渉をし、代案を出し、合意することが求められます。
美しいビジネスイングリッシュまでは必要ありませんが、子供っぽい英語ではなく、大人が使う英語を話せることが、ビジネスの場では必須になってきます。
じゃあどうしたら…?
とりあえず短期留学を考える方が多いと思います。
しかし、短期的な留学では、その期間が終われば英語を話すことはなくなりますので、語学力としての学習効果はほとんど残らないでしょう。
また、留学で触れる英語は、海外の日常の(良くも悪くも)活きた英語です。
英語を話すことのハードルは下がると思いますが、ビジネスの場での表現とは全く違うものです。
一方、英文法をひたすら勉強するという方法も考えられます。
英語の言語としての構造を深く理解できると思いますが、それだけでは英語を話すことは出来ないでしょう。
ビジネスで使える英語力を身につける近道は、英語のニュースや記事をナナメ読みではなく、しっかり読んで、その中で使われている単語や表現を覚えることです。
ニュースといっても、雑多なネットの記事でなく、CNNBBCといったしっかりとした報道記者の書いた記事を読んでください。
読み終わったら、その内容を3分にまとめて英語でプレゼンをします。
ご家族や友人など、実際に聞いてくれる人がいるとベターなんですが、いない場合は、自分の頭の中でプレゼンをします。
プレゼンの中でつっかえる所が、自分が理解できていない箇所ですので、元の記事に戻って読み返します。
語学の基本は知識の習得と実践の反復です。 
これ以外の近道はありません。
これを繰り返していくと、記事で読んだ言い回しが自分のものになっていきます。
これから社会に出る皆さんには、まだ自由に使える時間が多い今のうちに、語学の勉強と実践経験の両方を積んで大人としての語学力」を身につけてください。

STEAM Tokyoでは、学生のための次世代プログラミング教育を行っています。

近々、体験会を開催予定です。

体験会の詳細は追ってこのブログで告知させていただきます。

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