SF小説のイマジネーションは未来の現実になる。
SF小説、好きですか?
私は学生の頃、SF小説が大好きでしたが、周囲からは「もっと受験に役立つ本を読んだら?」と言われ、密かな趣味としてSF小説を読み続けてきました。
当時、SF小説の与えてくれる、荒唐無稽で、(当時の)科学技術ではありえないと考えられた未来のイメージにワクワクしていました。
今回は、今、現実になったSFをご紹介します。
カレル・チャペック
戯曲「R.U.R.」(1920年)
1920年代当時の日本はこんな様子でした。(AIで着色されています。)
この時期にチェコのカレル・チャペックの戯曲の中に世界で初めて「ロボット」が登場しました。
このお芝居の中では、人間の2.5倍働ける優れたロボットが大量に生産され、人間は働く必要がない世の中になりました。
その時、ロボットたちは、自分よりも劣った人間たちが自分たちの主人であることに嫌気がさして反乱を起こし、人間を滅ぼしてしまいます。
反乱を起こすかどうかはともかく、現実に、ロボット技術は急速に発展してきています。
スタンリー・キューブリック
映画「2001年宇宙の旅」(1968年)
1968年、日本ではゲゲゲの鬼太郎や巨人の星が放送されていたそうです。
翌年、日本では初めて小型のコンピュータが発売されました。
今考えると、小型…とは言えないですね。
1968年の映画「2001年宇宙の旅」のなかでは、なんと「タブレット端末」が描かれています。
食事をしながらタブレットを眺める。
今、日常に溢れている風景ではないでしょうか。
ウィリアム・ギブスン
小説「ニューロマンサー」(1984年)
1984年頃はマイコンブームでプログラミングが流行っていました。
信じられないかもしれませんが、データの保存にはカセットテープを使っていました。
この時期に発表されたSF小説「ニューロマンサー」では、脳に電極をつけてサイバースペースと呼ばれるコンピュータ上の世界に数十億人が接続する世界が描かれています。
今のインターネットの普及やVRを予言し、そして、まだ実現していませんが、脳とネットの接続のイメージは、その後の多くのマンガやアニメの原点となりました。
映画「マトリックス」もかなりニューロマンサーの影響を受けた作品です。
SFは発表された当時は荒唐無稽で現実味が無いのですが、SF的な自由な発想が科学技術の発展の大きな原動力になっています。
将来、「新しい何か」を生み出していくために、今、目の前にある現実に囚われることなく、自由に物事を考える癖をつけていってください。